WORKS 導入事例
福島県南相馬市 ブライダル&ホテル ラフィーヌ 様
ドライ清掃ロボット「Asion」開発秘話
ロボットのまち南相馬の駅前ホテルに
自律型ドライ清掃ロボットの製品版一号機を納入
あるとき、相模原商工会議所の集まりで、あるビルメンテナンス会社から「人手不足と高齢化で掃除スタッフが確保しづらい。掃除ロボットを作れないか」と軽い感じで声をかけられたのが、弊社が自律型ドライ清掃ロボットの開発に着手したきっかけでした。
当時はまだロボット開発事業に本格的に取り組む前段階で、掃除ロボットにどういう技術が必要なのかも分からない状態でした。
弊社の目指すロボット開発の領域は、自動車産業などで多く導入されているファクトリーオートメーション(FA)などの多額の設備投資が必要となる領域ではなく、人の隣で協力して働くロボット(協働ロボット)の領域で、少子化による人手不足や日本の中小企業・ものづくり企業が必要とするニッチで細やかなニーズに臨機応変に対応できる、小ロット多品種に対応したロボットです。
調べてみると、掃除ロボットに必要な自律移動技術が大転換期にあると分かり、「ROS(ロス)」と呼ばれるオープンソースの知能ロボット開発用ミドルウエアを使って作れると判断。さっそく開発に着手しました。
開発は苦労の連続
ロボットって完全なロジックで制御すると思われていますが、全くそんなことはありません。
機械、電気、ソフトウェアの3要素が複合的に影響するため、開発は困難を極めました。
弊社の強みやノウハウはソフトウェア開発の技術力にありますが、方程式を解くようには答えは出ませんした。
ぶつかった壁とお客様からいただいたヒント
ロボットは壁際に行くと位置を把握しづらくなりますが、ゴミは壁際に溜まります。従ってロボット開発で先行する大手企業は壁際すれすれを行くロボットの開発にたくさんの予算と人数を投じています。
限られた予算の中で、どのようにしてこの課題をクリアするか。開発段階で最初にぶつかった難題でした。
そんな時、お客様からいただいた一言が大きなヒントになりました。
『壁際は人間がやるからいいよ』
それよりも多少の段差があっても吸引力が落ちないことや、短時間で充電が完了することの方が重要。
このアドバイスをいただき、私達は思い切って壁際1メートル以内には近づかないことにしました。そして、吸引ノズルを床から少し浮かせるなどの工夫を重ね、タイル床・点字ブロック・引き戸のレールがあっても問題なく吸引が可能な清掃ロボットが完成します。
福島ロボットテストフィールドでの実証実験と後藤社長との出会い
ブライダル&ホテル ラフィーヌ後藤社長との出会いは、福島ロボットテストフィールドで実施したAsionプロト版の実証実験でした。
かねてより、「テレビCMやポスターで『ロボットのまち』のPRを目にしていたが、どうも身近ではない。」と感じられていた後藤社長より、「街の中に1台でもロボットを置いたらどうだと常々話していたので、駅前にある自分のホテルに導入することにする。」と製品化された際にAsion1号機の導入を早々と決めていただきました。
後藤社長からは、
「『拙速は巧遅に勝る』。とにかく早く製品化しよう。100点のものを出そうと思っていては時間ばかりかかる。まず出してみて、ダメなところを直してまた出した方がよっぽどいい商品になると思う」
との貴重なアドバイスをいただきました。
後藤社長をはじめ、導入予定先企業様からいただいたより実践的なアドバイスを得て、Asionの製品化ができました。
弊社が目指す「協働ロボット」「自律移動型ロボット」の開発において大きな一歩を踏み出すことができました。
自律移動ロボットで日本一の会社を目指す
現在は、福島イノベーション・コースト構想を推進する地域復興実用化開発等促進事業費補助金を受けて、階段専用の掃除ロボットを開発中です。
高齢者が階段掃除をするのは大変だとの声から着想した、ニッチな、他社が手を付けていないロボット開発です。
既に福島イノベーション・コースト構想推進機構の支援により特許を取得し、各所で実証実験を実施しています。
目標は、日本で一番の自律移動ロボットの会社になること。
自律移動ロボットが掃除をすれば掃除ロボット、カメラを積めば警備ロボット、センサーを積めば点検ロボット、荷物を運べば運搬ロボットなど、応用先は無限にあると考えています。
WORKS 関連事例
CONTACT お問い合わせ
弊社へのお問い合わせは下記のページより承ります。
ご質問やご依頼など、お気軽にご連絡ください。